疲労のすべては「自律神経の中枢」に原因がある

「肉体疲労がたまっている」 「精神的に疲れた」など、私たちは肉体の疲労と脳の疲労を別のものと考えがちです。

しかし、実はどちらも疲れの仕組みとしては同じです。

例えば、激しい運動をすれば体中がだるくなったり、重く感じたりします。一方でデスクワークを続けると頭が疲れたり、目が疲れたような感覚に陥ります。

この2つの活動はまったく違う部分を使っているように見えて、実は共通して働いている部分があります。

それが「脳にある自律神経の中枢」です。

自律神経とは、呼吸、消化吸収、血液循環、体温、心拍数などを調整している神経であり、体のほとんどの器官は自律神経の中枢によってコントロールされています。

さらに、自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は体を活発にする働き、副交感神経は体を休息させる働きがあります。 この自律神経の働きをコントロールしているのが、脳にある自律神経の中枢です。

実は、運動する場合もデスクワークの場合も、疲れていたのは自律神経の中枢だったのです。

激しい運動をしている場合とデスクワークをしている場合の自律神経の働きを考え

ることで、自律神経の中枢の疲れの仕組みを探っていきましょう。

まずは、運動の場合を考えていきましょう。

激しい運動をしている際は、心拍数が上がり、呼吸が速くなります。また体温の上昇を抑えるために汗が出てきます。 実はこれらはすべて、脳にある自律神経の中枢が秒単位で諸器官をコントロールしている結果生じる反応です。

その際に脳にある自律神経中枢の細胞で活性酸素が発生し、 酸化が起こることで疲労が生じます。運動が激しければ激しいほど自律神経中枢の処理が増加するので、より強い疲労を感じるようになるのです。

私たちの研究では、体に負荷を与える運動を4時間続けても、筋肉や肝機能などに影響はありませんが、自律神経中枢の疲労はたまっていくことがわかっています。

では、次にデスクワークの際の自律神経の働きを見ていきましょう。

デスクワークでは、1日中椅子に座ったままパソコンで作業を行うことも珍しくありません。

パソコンの作業を続けていると感じやすいのが、目の疲労です。 目の痛みやかすみ、場合によっては頭痛にまで発展することもあります。

このとき、自律神経が行っているのは目のピントの調節です。

ヒトは近くのものを見るときには、副交感神経が優位になるという仕組みがあります。副交感神経が優位になるのは、リラックスしているときや休息状態に入ったときです。

しかし、デスクワークで作業を行うことはリラックスや休息状態というよりもむしろ、ミスしないよう緊張したり、集中力を高めようとしている状態といえます。これは本来、交感神経が優位なときの状態です。

ここで自律神経の働きに矛盾が生じます。この矛盾が自律神経の中枢を疲れさせてしまいます。その結果として、目の疲労感が生じるのです。

運動やデスクワーク以外でも、あらゆる活動に自律神経は関わっています。つまり、「すべての疲れ=脳の自律神経中枢の疲れ」といっても過言ではありません。

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