国民の5人に1人が睡眠に不満をもっている現代。睡眠は国民的な関心事といっていいでしょう。
「寝つけない」「途中で目が覚める」 「朝早く目が覚める」「寝た気がしない」「日中眠
たい」など様々な睡眠の悩みをもった患者さんが、クリニックに訪れます。
患者さんの話をよくよく聞いてみると、実は睡眠で悩んでいるのではないことに気づきます。彼らは「たくさん寝たい」のではなく、「寝ても寝ても疲れがとれない」ことに困っているのです。
では、そもそも私たちは、なぜ睡眠をとる必要があるのでしょうか?
それは、起きている間に生じた疲れを回復させるためです。
もし眠らなくても疲れがとれる方法があれば、睡眠の悩みの多くは解決することでしょう。極端にいえば、もし日中に疲れることがなければ、睡眠自体がもはや必要ないのです。
実際、「寝なくても1日中元気に過ごすことができれば」と思うことも少なくないのではないでしょうか?
実は私もその1人です。
もし寝ないで1日過ごすことができれば、1日で約7時間、1ヵ月で約210時間、1年で約2500時間もの時間を自由に使うことができます。
起きている時間は4倍以上になり、これだけの時間があれば、今まで時間がなくてやりたくてもできなかったことがすべてできるかもしれません。
しかし、残念ながら、現代の医学では疲労を完全に起こさないようにする技術は開発されていません。ゆえに、睡眠を完全に不要にすることはできないのが現実です。
私たち疲労の研究者は、これまで疲れを起こすメカニズムを解明し、疲労の原因が自律神経の中枢にあることをつきとめ、疲労を軽減させる抗疲労医薬品の開発を続けてきました。
しかし、その努力も空しく疲れをまったく起こさない夢の抗疲労薬は未だ開発には至らず、人は起きて活動している以上、必ず疲れてしまうのが現状です。 そして、疲れが生じる以上、今の医学では「質の良い睡眠をとる以外に疲れを回復させる術はないのです。
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